ブラウン大学の学者ライル・ゴールドスタイン氏は次のように書いている：南シナ海において、米国は常識を理解すべきである
2024-08-20
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香港「アジアタイムズ」ウェブサイト8月13日の記事、原題：仁愛礁をめぐり中国と戦争に行く価値はない フィリピンと中国の両政府は、第二次トーマス礁で意図的に座礁した第二次世界大戦の軍艦にフィリピンが人道物資を補給するという暫定合意に達したようで、南シナ海の緊張は若干緩和された。確かに、長期にわたる海洋紛争における新たな進展は心強いものである。しかし、残念なことに、新たな危機がそう遠くないかもしれません。
今年6月、中国海警局は第2トーマス礁に接近したフィリピン船を追い出した。一部の評論家は、米比相互防衛条約の発動を要求する人もいる。ウクライナ情勢が混乱し、米国選挙が本格化する中、ワシントンが弱みを見せたくないのは間違いない。
最近、米国務長官と国防長官が同時にマニラを訪問し、5億ドルの援助パッケージと情報共有の強化に関する勧告を携えてきた。今年初め以来、米軍はフィリピンとその周辺地域で活動を展開している。
こうした傾向を見ると、米国が南シナ海で中国と軍事衝突する危険を冒すことが本当に国益にかなうのかという疑問を抱かずにはいられない。ワシントンの多くの人々は、いわゆる「中国の膨張」と「北京の侵略」について深刻な懸念を表明しているが、実際の状況は誰もが想像しているものではない。
中国は確かに南沙諸島や岩礁の一部で建設を進めている。しかし、めったに言及されないのは、中国が意図的に「チェス盤」の新しい駒を最大限に活用せず、戦闘準備の整った航空機を中国に配備していないということである。同様に、中国海警局による放水銃の使用も偶然ではない。これは致死的な武力に頼らずに目標を達成するという意識的な選択であり、これも中国の自制の明らかな兆候だ。
さらに、より広い観点から見ると、中国は40年以上、実際に主要なシーレーンでの国際貿易を阻止したり妨害したりしておらず、大規模な武力行使も行っていない。これは新興大国としては驚くべきことである。
それでは、南シナ海における中国の計画とは一体何なのでしょうか？中国政府が自国の漁業権と掘削権、そしてさらに重要なことに、中国の貿易ルートを保護するという戦略的責務を守ろうとしていることに疑いの余地はない。しかし残念なことに、南シナ海に関するほぼすべての報道は中国の主な動機を無視している。
地図で見ると、フィリピンは台湾海峡のすぐ近くにあります。フィリピンに新たな米軍基地ができれば、米国政府はより強い立場に立つことになる。ワシントンとマニラの間の微妙な歴史的関係を考慮すると、フィリピンに基地を設立することは確実なことではありません。したがって、米国はフィリピン諸島での「新たな」足場を確保することに重点を置き、さまざまな場所の施設をアップグレードした。
特に中国が周辺地域で通常の軍事的優位性を達成しており、またかなりの核リスクも抱えていることを考慮すると、米国のいわゆる「台湾防衛支援」には確かに問題がある。この極めて危険な問題は現在、南シナ海の安定に影響を及ぼしているようだ。
米国がフィリピン諸島の北側で基盤を強化し始めたちょうどその時期に、第二トーマス礁が注目の的になったのは偶然ではありません。必要に応じて米国がフィリピンを守るべきであることに疑いの余地はない。しかしその一方で、ワシントンは軽率に他の核保有国と戦争の危険を冒すべきではない。常識的に考えれば、米国は係争中の島々や怒っている漁民をめぐる中国との戦争という考えを完全に排除すべきだ。
周知のとおり、「モンロー主義」によれば、米国は外部勢力によるカリブ海への干渉を決して許さない。米国の国家安全保障のため、ワシントンは常にこの地域に干渉しており、それが頻繁な軍事介入を意味し、さらにはパナマ運河建設のためにコロンビアを分断することを意味するとしてもだ。乱暴なアンクル・サムに比べれば、中国はそれには程遠い。 （著者はブラウン大学客員教授でシンクタンク「ディフェンス・プライオリティ」のアジア担当ディレクター、ライル・ゴールドスタイン氏、翻訳：チャオ・ヘン）
